”生活習慣病体質”は遺伝する 父親から子供へ
そうした記憶を持つ子供は生活習慣病を発症しやすくなるのだとか。
良い食習慣を身につけるのは、自分の健康維持だけでなく、次の世代の生活習慣病を予防する意味もあるようです。
父親の乱れた食習慣は遺伝する? 子供が糖尿病体質に
なかなか興味深い記事がありました。
精子介し子供が糖尿病体質に? 父の食生活の乱れが影響
http://www.sankei.com/life/news/160308/lif1603080004-n1.html
2014年の米科学アカデミー紀要に、こんな研究結果が発表されています。
■離乳後のマウスの雄を、通常食群と高脂肪食群に分けて飼育する
■高脂肪食群には、軽度の糖尿病状態になる薬を投与する
■各群を生後16週間まで育てた後、正常な雌と交配させる
■生まれた子供を同期間育て、血糖値を測定する
■その結果、高脂肪食群の雄から生まれた子供の血糖値は有意に高かった
両群とも、生まれた子供には高脂肪食は与えられていませんでした。
国立国際医療研究センターの春日雅人総長は、この研究結果を
「父親の代の高脂肪食の影響がすぐ次の代に遺伝情報として伝わったことを示すものだ」
としています。
父親の精子を通じて子供に遺伝したわけです。
母親の食習慣が、へその緒でつながっている胎児に影響するのは、わかりやすいですよね。
過度のダイエットを行った女性から生まれた低体重の子が太りやすいのはよく知られています。
対して父親の場合、後天的な要素である食習慣は精子中の遺伝子には影響しないイメージがあります。
しかし、あくまでマウスの実験とはいえ、父親の食習慣が胎児に影響すると考えられる研究結果が相次いでいます。
上の記事には、このような実験結果が挙げてあります。
■高脂肪食を与え続けた雄マウスから生まれた子供マウスは、インスリン分泌が悪くなる
■雄マウスに低たんぱく食を与え続けていると、生まれた子供マウスは脂肪肝になりやすい
先天性プラス後天的要因か
ここで、後天的な要因をちょっと考えてみます。
ほぼ確実に言えることとして、親の食習慣はそのまま子供に反映されます。
親がバランスの悪い食事をしているのに、子供がヘルシーなものを食べることはありえませんよね。
そして子供の頃に身に付けた食習慣は、大人になってもあまり変わらないことがほとんどです。その結果、糖尿病などを発症してしまうこともあります。
これまでは、この後天的な食習慣のために糖尿病を発症する、という結論でした。
しかし上の実験結果からすると、「生まれてきた時点ですでに糖尿病リスクは高かった」可能性があります。
先天的に糖尿病になりやすい体で生まれてきているわけで、その後の食生活も乱れていては、糖尿病発症リスクは上がるに決まっています。
「日本の食習慣が欧米型になり、カロリー過多になっている」と言われて久しいです。
糖尿病の発症者や予備軍が増え続けているのは、食バランスの悪化による弊害が、世代を超えて受け継がれているからかもしれません。
糖尿病リスクを次世代に残さないためにも、現世代の私たちが良い食習慣を身につけなければいけないようです。
「自身の健康のためだけではなく、子孫の健康のためでもある」と考えれば、食習慣を改めるきっかけになるのではないでしょうか。
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