古代エジプトの時代は人類は食べ過ぎていたそうですが・・・

榎木孝明さんの不食 食べ過ぎも食べなさすぎも良くないのでは

2015年の6月、俳優の榎木孝明さん(59)が、30日間の「不食」を達成しました。

 

不食とは、「食欲と闘わずして食べない行為」です。榎木さんは30日間、水以外は口にしませんでした。

 

 

報じられた記事を参考に、榎木さんに起きた変化などをまとめます。

 

■体重は9kg減って71kg

 

■「空腹感は一度もない。心地よい満腹感に満たされているよう」

 

■集中力が増し、本を読むスピードが格段に速くなった

 

 

■睡眠も深くなり、4時間眠ればすっきり

 

■腰痛も消えた(眠っていた自浄作用が一斉に目覚めた感覚)

 

■運動時の胸式呼吸が腹式呼吸に変わり、スタミナも増した

 

 

■排便は1ヵ月間に計3回 4〜5日目に宿便と思われる黒い便が、20日目頃に腸壁と呼ばれるものが出る

 

■よく腸が動き、おならが出る(臭いはなし)

 

 

記事によっては「すがすがしい表情」という見出しをつけていましたが、記事の榎木さんの写真を見る限り、あまり元気には見えません・・・。

 

ケチをつけるわけではありませんが、どうしてもやつれて見えるのです。

 

 

榎木さんについては、私のメルマガで以前記事にしています。

 

再掲致します。

 

俳優の榎木孝明さん(身長180cm 体重80kg)は、映画やドラマの撮影が始まると気が張り、空腹感を覚えなくなることがあるそうです。

 

そのため丸一日、一食も口にしない日もあります。

 

 

本人いわく「おなかが空かないのに無理して食べるのは不健康という考えなんです」

 

逆におなかが空くと三度食べることもあり、和食がメインです。

 

 

ただヨーグルトにはこだわり、自家製のカスピ海ヨーグルトを4年前から作っていてすごくおいしいそうです。

 

 

5月公開予定の映画「アダン」の役作りのため1日1食のダイエットに挑み、15kg減量しました。

 

「やせていくのが楽しみで、ぜんぜん苦にならなくて」だそうです。

 

 

オフには薩摩示現流剣術、古武術の稽古に励んでいます。

 

 

再掲ここまで。

 

これは2006年3月28日の記事です。

 

 

10年近くも、榎木さんは少食を「続けている」というより、不食にまで「発展させた」感じですね。

 

 

榎木さんご本人は達成感にあふれ、何の疑問も抱いていないようですが、30日間水だけで体を壊すことはないのでしょうか?

 

 

雑誌「週刊新潮」に、この榎木さんの不食を検証した記事がありました。

 

 

 

榎木さんの不食はやりすぎ?専門家による危険性の指摘

「新潮」の記事は簡単に言えば、榎木さんの不食に対して「総ツッコミ」状態で、「かなり危険だったのでは?」という主張一色です。

 

(以下のコンテンツは、雑誌週刊新潮 2015年 7/2 号 44〜47ページを参考にしています)

 

 

何も食べないということは、当たり前ですが栄養は体内に供給されません。

 

 

栄養が不足すれば、さまざまな病気になるのは明白です。

 

例えば、よく知られている

 

・ビタミンB不足で起きる脚気
・ビタミンC不足でおきる壊血病

 

ですね。

 

 

これらは現代ではほとんど聞かない病気ですが、何も食べないわけなので、当然ビタミンも補給されず、これら一昔前の病気も発症しうるわけです。

 

余談になりますが、江戸(東京)で、うどんより蕎麦が主流になったのは、脚気が関係しているそうです。

 

江戸勤番は体面上白米を主食としていました。

 

そのため脚気が大流行するのですが、ビタミンBを含む蕎麦を食べると症状が改善しました。

 

つまり、江戸で蕎麦が好まれたのは脚気対策という側面もあったわけです。

 

 

石原結實医師の指摘

私のメルマガやサイトにも何度か登場している石原結實医師は「榎木さんがあと10日も続けていたら、危険だったのではないか」としていて、以下のような理由を挙げています。

 

・何も食べないと人間のエネルギー源は

 

糖質→脂肪→筋肉から分解されたたんぱく質

 

と変遷する。

 

これらも全て尽きると、内臓の機能が落ちて衰弱死につながる。

 

これを考慮すると、人が水だけで生きられるのは40日間が限度。

 

 

石原医師も断食施設の所長を務めていますが、最長でも21日間です。しかも、ニンジン&リンゴのジュースを飲みながら行います。

 

 

管理人としても、榎木さんのケースは「やりすぎ」な印象があります。

 

佐藤祐造教授の指摘 ケトン体の危険性

愛知みずほ大学大学院の佐藤祐造特任教授は、「ケトン体」の危険性を挙げています。

 

 

ブドウ糖が極端に不足することで発生する「ケトン体」は酸性物質なので、体内の酸性度を上げる作用があります。

 

すると免疫力が下がるので、あるゆる病気にかかりやすくなります。

 

 

もちろん、1か月間何も食べないのはあまりにも極端であり、実行する人はほとんどいないでしょう。

 

榎木さん自身も「おすすめしない」旨を強調されています。

 

 

不食といえば、私のHPで紹介している森美智代さんを連想する方も多いでしょう。

 

少食を究めると 一日に青汁一杯 森美智代さん その1

 

 

新潮の記事にも、森さんの食生活(一日に野菜ジュース一杯と少量の栄養剤・ビタミン剤のみ)が言及されています。

 

 

上のHPコンテンツにも書いてますが、これは医学的・栄養学的には説明できない食習慣です。理論上は、森さんの摂取カロリーでは生命を維持できないのです。

 

いかに特殊な例かがわかるのではないでしょうか。

 

 

「じゃあ私も一日青汁一杯で!」というのは、ちょっとムリなのでは?というのが正直なところです。何しろ医学的な裏付けがありません。

 

 

やっぱり、私のサイトやメルマガでしばしば指摘している「ほどほど」が良いのではないかと。

 

 

私としては、榎木さんや森さんの例は、何か余計なものを食べたくなった時に

 

 

「ほとんど食べんでも30日は死なんとだけん、いらんもんは食うな!(熊本弁)」

 

という戒めにするつもりです。

 

人類は4500前からすでに食べ過ぎ とはいえ・・・

新潮の記事の冒頭には

 

 

「人は食べる量の四分の一で生きている。他の四分の三は医者の糧になっている」

 

 

という言葉が紹介されています。

 

 

これはエジプトのピラミッドの碑文に刻まれているもので、4500年もの昔に、すでに過食は健康を害すると認識されていたのです。

 

 

「食べずに死ぬのではなく、食べ過ぎで死ぬ」というわけですね。4500年前ですよ!

 

 

とはいえ、「全く食べない」のは極端です。いま流行(?)している「一日一食」も、多くの人には極端ではないでしょうか。

 

 

必要な栄養を確保するだけは食べる。同時に、食べ過ぎにも気をつける。

 

 

といったスタンスが、健康維持に最も役立つのではないでしょうか。

 

 

 

 

※このサイトは作成ソフトSIRIUS(上位版)で作りました!^^

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