食道がんの特徴など なぜ「タチの悪いがん」と呼ばれるのでしょうか?

有名人に多い 食道がんの性質と飲酒との関係など

食道がんは、肺がんや大腸がん、胃がんに比べると地味な印象がありますが、実は意外と頻繁に話題になります。

 

 

というのも、食道がんは有名人が罹患する例が多いのです。

 

淡路恵子さん、やしきたかじんさんが食道がんで亡くなったのは記憶に新しいでしょう。

 

 

ほかにもちょっと調べてみると、
(敬称略)

 

岡田眞澄 宮尾すすむ 井上靖 開高健 赤塚不二夫 立川談志 ハンフリーボガート 桑田佳祐 小澤征爾 山田五郎

 

といった方が食道がんを発症しているのです。
結構多いと思いませんか?

 

(上で挙げた有名人にはご存命の方もいます)

 

 

地味な割によくニュースになるのは、根治が難しいという理由もあります。
不幸なことに、亡くなるケースが多いのです。

 

 

食道がんを「タチの悪いがんの代表」とする医師もいます。

 

やしきたかじんさんと食道がん
http://apital.asahi.com/article/nagao/2014010800003.html

 

 

この記事を書いた長尾和宏医師によると、

 

 

「(食道がんは)助かるのは早期の中の早期のがんだけと言ってもいい。逆にいえば、早期の早期で見つけないと完治しにくい」

 

 

のだそうです。
なぜこれほどタチが悪いのかというと、以下のような理由があります。

 

・自覚症状がほとんどない

 

・内視鏡検査でも、X線検査でも見つけにくい
(早期の食道がんは出っ張りができず平たく広がるだけのため)

 

・食道のすぐ隣にはリンパ管が通っているため、転移しやすい

 

「自覚と発見が難しく、転移しやすい」という、最悪の特徴があるのです。

 

 

ただ、最近はヨード液を使った内視鏡検査により、早期発見率は大きくアップしています。

 

 

食道がんの話題では、飲酒の影響に触れないわけにはいきません。

 

 

飲酒は、食道がんのリスクを上げるのです。

 

アルコール代謝の過程で発生するアセトアルデヒドは、2009年にWHOに発ガン性物質と断定されています。

 

 

「飲酒する人がいなかったら、日本人の食道がんの91%はなくなるだろう」とまでいわれているそうです。

 

 

アセトアルデヒドを無害化するために体内の分解酵素が働くわけですが、この働きが弱い体質の人(=お酒に弱い人)はアセトアルデヒドの攻撃にさらされる時間も長くなります。

 

 

しかも、食道はこの酵素の働きが特に弱い箇所なのです。

 

 

そのため、食道がん発症リスクが高くなってしまいます。

 

 

これはお酒に強い人も例外ではありません。
「どれだけ飲もうが顔色もテンションも変わらない」という人でも、リスクは上がるのです。

 

 

比較方法と体質によって違いがありますが、飲酒をすると食道がんのリスクが数十〜数百倍も上がるとの研究結果もあります。

 

 

最も危険なのは、

 

初めてお酒を飲んだ時は、ビール一杯で顔が赤くなったり気分が悪くなったりしたが、いまは顔色も変わらない。ただし、翌日もお酒のにおいがする。

 

というケースです。

 

 

こういう人は、もともと遺伝的にアルコールの分解は苦手だったと考えられます。
アルコールの体内滞留時間が長く、がんのリスクも上がります。

 

結論としては、

 

 

どんな人でもお酒を飲めば食道がんリスクが上がる

 

 

わけです。

 

日本では、食道がんにより毎年1万人以上が亡くなっています。

 

 

アセトアルデヒドの害を防ぐには、飲酒量を減らすか、飲むのをやめるかしかありません。

 

 

飲酒しない日が週に三日あれば、飲酒による疾患全体の危険度が下がるという報告があります。

 

 

今後お酒を飲む習慣をどうするかは人それぞれですが、食道がんのリスクを考えれば、あまり積極的に続ける理由は無さそうです。

 

 

この記事は雑誌「NHK ためしてガッテン 2014年 冬号」54〜57ページを参考にしました。

 

 

 

 

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